ダイエット

2015年12月17日木曜日

日本人肥満男性の食事と運動 糖尿病予防

年末年始の太り易い時季。
肥満が誘因の病気といえば糖尿病だ。
この季節の戒めとして、
日本の調査からメタボ男性の糖尿病予防策をご紹介しよう。
金沢医科大学公衆衛生学部の櫻井勝氏らによると、
体格指数(BMI)25以上の肥満男性が炭水化物を食べ過ぎると、
糖尿病の発症リスクが上昇するという。
櫻井氏らは、工場勤務の33~55歳(平均年齢45.9歳)の男性、
約2000人を調査。平均BMIは23.4だった。
2003年の登録時に栄養摂取状況を調査し、
その後10年にわたり毎年の検診結果から2型糖尿病の発症を確認。
食事の内容と発症リスクの関連を調べた。
1日の総摂取エネルギーに対する炭水化物の割合を
検討したところ、全体としては糖尿病の発症リスクとの
因果関係は認められなかった。
しかし、BMI25以上の肥満男性に限った場合、
炭水化物から摂取するエネルギー比率が
65%を超えると、同50~57.4%の人より、
発症リスクが2倍に跳ね上がったのである。
日本人男性の食事摂取基準では、
炭水化物エネルギー比は50~65%なのだが、
肥満の人に限れば、さらに制限したほうが良さそうだ。
また、同じ肥満でもおなかがポッコリで
筋力低下を伴う「ダイナペニア」の方は、
食事改善に加えて筋トレがお勧め。
国立健康・栄養研究所の宮地元彦氏らは、
日本企業に勤務する40~64歳(平均年齢51歳)の男性、
約5000人の検診データと握力測定データを収集。
握力は32.5キログラム、37.8キログラム、
41.5キログラム、47.3キログラムの4層別で評価した。
調査期間中に糖尿病を発症した人について、
BMI25以上と25未満に分けて解析した結果、
BMI25以上の肥満者では、
握力(筋力)の低下と有意に逆相関して、
糖尿病の発症比率が上昇したのだ。
研究者は「痩せるだけでなく、
筋力を高める運動やスポーツが推奨される」としている。
ちなみに、日本の成人男性の平均握力は48キログラム前後。
おなか周りを意識し始めた方は
忘年会のビールを2杯減らし、ダンベルを二つ購入しましょうか。
(取材・構成/医学ライター・井手ゆきえ)

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