ダイエット

2015年12月25日金曜日

低脂肪ダイエットの落とし穴

痩せたい人にとって、まず減らそうとするのが脂肪です。
乳製品をはじめ、普段から「低脂肪」と
表示されたものを選択する人も多いのではないでしょうか。
ところが、ハーヴァード大学がアメリカの約7万人を
対象に行った研究結果によると、低脂肪ダイエットには
長期的に見て効果がないどころか、
かえって逆効果になり得ることがわかったのだそうです。
「低脂肪=ヘルシー」という思い込みの落とし穴
その理由について、
研究を行ったボストンのブリガム婦人科病院と
ハーヴァード大学公衆衛生大学院の研究者は、
「大体において、脂肪の含有量はその食品が
健康的かどうかについてあまり関係がないからです」
と言います
例えば、アボカドや卵、オリーブオイル等は
高脂肪ですが、健康的な食品です。
ところが、低脂肪や無脂肪の「ダイエット」を
謳うアイスクリームやお菓子などは、
痩せるのに効果的であるとは言えないでしょう。
低脂肪ダイエットをしている人は、
高脂肪だからと健康的な食品まで除外し、
低脂肪の加工食品を多く摂る傾向があります。
U.S. News&World Report」より翻訳引用
「低脂肪=ヘルシー」という置き換えが、
いつのまにか頭の中では起こりがち。
食べ物を「脂肪が多いか少ないか」だけで判断すると、
「自分はいつも低脂肪なものを食べるように心がけているから、
健康的でダイエットにも良い」と安心してしまい、
身体に必要な他の栄養素には無頓着になりがちなのです。
脂肪を減らしても、糖分過多になっては意味がない
また、
低脂肪な加工食品の多くは、(中略)全脂肪のものに比べて砂糖を多く含んでいます。
U.S. News&World Report」より翻訳引用
とのこと。脂肪を減らしたと思っていると、
実はダイエットの敵である砂糖をどっさり身体に
取り込んでいた、という皮肉な事実についても
指摘されています。
これでは、せっせと低脂肪を心がけても痩せるわけがありません。
さらには、
ビタミンA、D、E、K等の栄養素は脂溶性なため、
脂肪も一緒に摂らないと、身体が栄養素を吸収できません。
脂肪をカットしたダイエットでは、他の栄養素が不足することもあり得ます。
U.S. News&World Report」より翻訳引用
アンチエイジングやお肌に欠かせない
これらのビタミンが吸収されずに流れてしまっては、
ダイエットどころか、美容にも健康にもマイナスです。
ミネラルやたんぱく質もそうですが、やはり栄養素は、
お互いに相乗効果で働くもの。
ひとつひとつを切り離して考え、
多くしたり少なくしたりするのではなく、
全体のバランスを見て調節する必要があります。
低脂肪マニアのアメリカはいまだに肥満大国
特にアメリカに住んでいると、
低脂肪と書かれた食品がたくさん目につきます。
たとえば、
スタバ等でコーヒーにミルクを入れようと思っても、
「低脂肪」しか置いておらず、わざわざ「全乳をください」
とお願いしないといけないこともしばしば。
育ち盛りの子どもにも「低脂肪乳を飲ませるように」
とアドバイスする医師もいます。
にもかかわらず、アメリカがいまだ肥満大国であることからも、
低脂肪ダイエットが効果的ではないという
研究結果には大いに納得したのでした。
「低脂肪」や「低カロリー」という言葉のトリックには、
惑わされないようにしたいもの。
全体のバランスを考えながら、
自然のものを食べるようにするのが結局は
一番間違いがないようです。
(田上晶子)

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